次世代通信規格「5G」営業秘密の不正持ち出しで元社員を逮捕

先日(令和3年1月)、SB社の元社員(現、携帯電話会社RM社の社員)が第5世代通信規格「5G」の営業秘密を不正に持ち出したとして、不正競争防止法違反の容疑で逮捕されました。

不正に持ち出した情報は「4G」および「5G」の基地局などに関する情報で、SB社の社員だった令和元年11月~12月末に業務用パソコンで自宅からSB社のサーバーに接続し、自分のメールアドレスに送付することにより、30回にわたって170ファイルを不正に持ち出したとのことです。元社員は、令和元年末までSB社に所属し、令和2年1月にRM社に転職しました。元社員はSB社とは秘密保持契約を締結していたものの、転職前日まで営業秘密にアクセスが可能でした。RM社は、元社員が営業秘密を業務に利用していた事実は確認されていない、とコメントしています。

多くの会社では、情報セキュリティ規程を整備し、また全社員に対して情報セキュリティ教育を実施しており、自社情報を守ることに特に注力しています。しかし、他社の情報とのコンタミ(技術汚染)も重要な観点で、コンタミが発生した(と想定される)場合、関連する自社情報をも自社の事業に使うことは許されなくなります。特に転職においては、転職先の企業は前職の経験、知識、技術等を期待して採用することは当然です。自社情報を守ることは当然として、コンタミを如何に防ぐかという取り組みは、企業経営にとってますます重要となるのではないでしょうか。
理事 長野 數利